コミュニケーション 2016

Communication 2016

 

第19 日本コミュニケーション学会(JCA)中国四国支部大会

&

広島コミュニケーション研究会

共同開催

 

プログラム・プレゼンテーション集

Program, abstracts and presentations

from the 2016 joint conference of the Japan Communication Association (JCA) Chugoku-Shikoku chapter (19th annual meeting) and

the Hiroshima society for the study of communication

 

平成28年1日(

福山大学 宮地茂記念館 205室

Fukuyama University, Dec 4 2016

 

Rudolf Reinelt (ed.)

MatsuyamaJCAcs, January15, 2017115日

 

 

 

 

Reference data (of the part you cite)

LastName, FirstName (2016) Title of your paper. In Reinelt, R.(eds.) Communication 2016JCAcs, Matsuyama, beg.page-end.page.

 

 

19回日本コミュニケーション学会(JCA)中国四国支部大会(cs)

主催:日本コミュニケーション学会(JCA)中国四国支部

Fukuyama University, Dec 4 2016

平成2年1日(

福山大学 宮地茂記念館 205室

 

All rights remain with the authors

 

松山 JCAcs 2017115

MatsuyamaJCAcs, Jan. 15, 2017

 

 

 

 

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ルードルフ・ライネルト

愛媛大学 教育・学生支援機構 共通教育センター 

790-8577 松山市文京町3番         

T/F電話及びファックス 089-927-9359 
Ehime University, General Education Center                         

Bunkyo-cho 3, Matsuyama 790-8577
Rudolf REINELT

reinelt.rudolf.my@ehime-u.ac.jp


 

 

 

 

 

 

Table of Contents 目次 page

 

Coordinator’s Preface 4       

プログラム & 募集要項 5  

プレゼンテーション Presentations         

1.  八島 智子コミュニケーション学とSLA(第二言語習得論)の交差点 Willingness to Communicate—」 11

 

2. 脇 忠幸 : 「コミュニケーション能力」言説分析 21

 

3.  Warren TangSecond Language Learners Play the “Imitation Game” – The Use of Immediate Social Media to Understand Perceived Native-like Communication Strategies ” 29

 

4.  Rudolf Reinelt ルードルフ・ライネルト “Communicational Advantages from Continuing 2nd Foreign Language Learning”「コミュニケーション学習としての第二外国語習得の継続」 58

 

Words of gratitude 72 

Timeline to JCAcs2017 (予定表) 72 

 

        

 

 

 

 

 


Coordinators preface

 

「学会に所属する」ということ

 

中国四国支部長 脇 忠幸(福山大学)

 

昨年1219支部大会は、支部長として参加する初めての支部大会でした。もともとJCAに限らず)熱心な会員とは言えない私ですが、立場が変わればあれこれと考えてしまうものです。

今回の支部大会を通じて感じたことは、本支部の特徴として「議論の濃さ」挙げられるのではないか、ということです。私が初めて支部大会に参加したのは2004年(in愛媛大学)ですが、そのときも少人数でずいぶん濃い議論を交わした記憶があります。大きな学会(大会)濃密な議論の場を作り出す/確保するのは、なかなか難しいと思います。一方、本支部の会員は、全員集合しても20数人です。こうした「少数精鋭」だからこそのメリットもたしかにあるわけで、今回の支部大会はそれを再確認できた非常に充実した内容でした。

 そのような「濃い」充実を味わいながらも、自分のなかにどこかモヤモヤした感情が漂っていることにも気づきました。冒頭に述べたように、私は、学会と名のつくものには欠かさず参加する、というタイプの人間ではありません。ですから、思い出したようにこうした充実を味わってしまうと、学会って楽しいなぁ、などと思いながら、「会員であること」の意義を再認識するのです。しかし同時に、この充実は学会以外でも手に入るのではないか、といった不埒な思いも顔をのぞかせます。「会員であること」の意義の前景化が、「会員であること」への疑問につながってしまうわけです。われながら面倒な性格ですね。なぜ、自分は「学会」という組織に所属しているのだろうか。支部長として迎えた支部大会で、ふとそのような考えが頭をよぎったのです。

近年の大きな流れとして、学会員の特権と呼べるものが徐々に減少している傾向が見てとれます。学術大会にしても学術論文にしても、よりオープンになりつつあると思います。近い将来、学術論文は雑誌(の価値)という制限から解放され、完全オープンな投稿&アクセスになって引用数(≒ダウンロード数)で評価されるようになるのかもしれません。もちろん、会員の権限強化を訴えたいわけではありません。支部長になって改めて、「学会」の意味付け/位置づけ、そしてそこに「所属する」ということの意味付け/位置づけについて、再考する必要性を感じたということです。

 次回も福山で、悩み深き支部長がお待ちしております。


 

 

19回 日本コミュニケーション学会(JCA)

中国四国支部大会

&

広島コミュニケーション研究会

共同開催

 

 

プログラム

 

会期  平成28年12月4日(日)

会場  福山大学

宮地茂記念館 205室

 

共同主催  

日本コミュニケーション学会(JCA)

中国四国支部,広島コミュニケーション研究会

 


19回日本コミュニケーション学会(JCA)中国四国支部大会&広島コミュニケーション研究会

 

プログラム

1200    準備

 

13:00 - 13:10  開 会 の辞 支部長挨拶など

 

13:10 - 13:50        学術発表

脇 忠幸 (福山大学)「コミュニケーション能力」の言説分析」

 

13:50 -  14:30        学術発表

Warren Tang(福山大学), “Second Language Learners Play the “Imitation Game” – The Use of Immediate Social Media to Understand Perceived Native-like Communication Strategies ”

 

14:30 - 14:40       休憩 

 

14:40 - 15:20          学術発表

Rudolf Reinelt(愛媛大学) , “Communicational Advantages from Continuing 2nd Foreign Language Learning”「コミュニケーション学習としての第二外国語習得の継続」

 

15:20 - 16:20    特別講演 八島智子先生(関西大学)

「コミュニケーション学とSLA(第二言語習得論)の交差点 —Willingness to Communicate——

   

16:20 - 16:50  講演内容への質疑&全体ディスカッション

    

16:50 - 17:00   閉会の辞

 

1800 懇親会

終了

 

 

 

 

 

 

 

 

<特別講演>

 

 

コミュニケーション学とSLA(第二言語習得論)の交差点

—Willingness to Communicate——

 

八島智子 (関西大学)

 

Willingness to CommunicateWTC)は、「自発的にコミュニケーションを開始する傾向」と定義され、コミュニケーション学者、McCroskeyが提案した概念である。これには、不安・内向性などの性格要因、状況・対人相手などの社会的要因、さらには文化的な規範など多様な要因が絡む概念である。現在では、むしろSLA(第二言語習得論)分野において研究が活発である。第二言語で積極的にコミュニケーションを図るか否かがその習得に関わることから、重要な変数として近年注目されてきた。第二言語でのWTCとなると、その習熟度や自信があるかどうか、言語文化に対する態度も加わりさらに複雑となる。本発表では、日本の英語学習者を対象に行われたWTC研究の成果を紹介しつつ、日本人の第二言語コミュニケーションの特徴とWTC研究の意義を論じる。

 

 

 

<学術発表>

①  脇忠幸「コミュニケーション能力」の言説分析」

 

 近年、企業の採用人事において、「コミュニケーション能力」が重視されることはよく知られていよう。しかし、この「コミュニケーション能力」とは、具体的にどのような能力を指しているのだろうか。経団連の調査を見る限り、企業がこの能力をどのように捉えているのか、定かではない。では、企業以外はどうであろうか。文科省など国の機関、コミュニケーション研究者、一般の人々(特に就職活動前後の若年層)において、この能力はどのように捉えられているのだろうか。

本発表では、【企業】【文科省など国の機関】【コミュニケーション研究者】【一般の人々(特に就職活動前後の若年層)】で、「コミュニケーション能力」がどのように語られているのかを概観する。今回は文献やインターネット上での言説を対象とするが、これを端緒にして今後はインタビュー等の質的調査を実施したい。

 

 

 

 

② Warren Tang, “ Second Language Learners Play the “Imitation Game” – The Use of Immediate Social Media to Understand Perceived Native-like Communication Strategies

 

The “Imitation Game” is a game played through an information-poor “typewritten” medium as a way to test whether a human being can distinguish a human from a computer (Turing, 1950). The game may be “reverted” back to the original phrasing and adapted to test whether a native speaker can distinguish a non-native speaker from a native speaker through native-like competence (Pawley & Syder, 1983). In doing so the presenter wants to discover what strategies failed to fool the native speaker in believing she or he is a native speaker within the Immediate Social Media (ISM) paradigm of Periscope (periscope.tv).

 

 Rudolf Reinelt, コミュニケーション習得としての第二外国語学習の継続」 (発表言語は必要に応じて日本語及び英語)(仮題)

Communicational Advantages from Continuing 2nd Foreign Language Learning (prov.)

This presenter reports on a combination of communication and 2nd foreign language acquisition research. 

In previous contributions, the presenter was able to demonstrate the communicative advantages of learning a 2nd foreign language in Japan in the general education first year at university. In a continual to this approach, this presentation will report on a case study where one student continued learning in various productive ways and through this attained a very advanced step which in turn gained the learner access to different societal parts of the target language, leading yet again to new learning motivation. If circumstances allow, comparisons to other students with similar developments will be drawn. The results inform both communication theory as well as foreign language acquisition approaches. 

 

 

Venue information:

https://www.google.co.jp/maps/place/%E7%A6%8F%E5%B1%B1%E5%A4%A7%E5%AD%A6+%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E9%80%A3%E6%90%BA%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%8E%A8%E9%80%B2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC/@34.4892455,133.3617157,365m/data=!3m1!1e3!4m3!3m2!1s0x0:0x88b3f3e0eff5275!4b1!6m1!1e1?hl=ja

 

 

 

 

 

 

 

 

中国・四国支部 支部長 脇 忠幸

 

中国四国支部では、第19回支部大会を下記の通り開催いたします。

 

日時:平成28124()

場所:福山大学(会場は未定)

全体テーマ:コミュニケーション学と教育

参加費:無料

 

発表者の募集も随時受け付けております。中国四国支部のメンバーに限らず、全国の会員の皆様に申し込んでいただきたいと思います。

 

申し込み締め切り:平成281024()

必要事項:メールに題目と和文または英文の要約を添付し、件名(JCAcs16)で送ってください。

申し込み先:reinelt.rudolf.my@ehime-u.ac.jp

 

今大会の基調講演は、八島智子先生(関西大学)に「コミュニケーション学とSLA(第二言語習得論)の交差点—Willingness to Communicate—」というテーマでご講演いただきます。

なお、今大会における詳しい案内を含むJCA中国四国支部ニュースレターを後日発行予定です。また、今回は広島コミュニケーション研究会との共催になる予定です。

過去の支部大会の発表資料は、Reinelt先生のHP(http://web.iec.ehime-u.ac.jp/

reinelt/katudouhoukoku.html)に掲載されています。ぜひご覧ください。

 

 

 

 

Main Speaker (基調講演)

コミュニケーション学とSLA(第二言語習得論)の交差点

—Willingness to Communicate——

 

八島智子 (関西大学)

 

Willingness to Communicate(WTC)は、「自発的にコミュニケーションを開始する傾向」と定義され、コミュニケーション学者、McCroskeyが提案した概念である。これには、不安・内向性などの性格要因、状況・対人相手などの社会的要因、さらには文化的な規範など多様な要因が絡む概念である。現在では、むしろSLA(第二言語習得論)分野において研究が活発である。第二言語で積極的にコミュニケーションを図るか否かがその習得に関わることから、重要な変数として近年注目されてきた。第二言語でのWTCとなると、その習熟度や自信があるかどうか、言語文化に対する態度も加わりさらに複雑となる。本発表では、日本の英語学習者を対象に行われたWTC研究の成果を紹介しつつ、日本人の第二言語コミュニケーションの特徴とWTC研究の意義を論じる。

 

八島先生の自己紹介はこちらです:http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~yashima/index.html

   子 関西大学 外国語学部・外国語教育学研究科教授  http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~yashima/profile.html

取得学位: 文学修士(神戸市外国語大学)、博士(文化科学・岡山大学) 

専門分野:応用言語学、異文化間コミュニケーション論 

教育・研究テーマ: 私の現在の研究テーマは、異文化間接触状況におけるコミュニケーション行動や第二言語使用を扱ったものと、第二言語語習得・学習の情意的要因を扱った ものと、大きく二つに分けることができます。どちらも応用言語学・社会心理学・コミュニケーション論の3領域が関係し、そのため学際的なアプローチが必要 となります。これまで行ってきた研究は、異文化接触・異文化コミュニケーション研究としては、1)留学など異文化接触状況における第二言語を用いた対人行 動と対人関係形成の分析、2)国際ボランティア活動に参加する大学生を対象にした、異文化接触が異文化対応力に与える影響の調査、3)第二言語を用いた ソーシャル・スキル、ソーシャル・サポートと異文化適応の関係を見ることなどです。一方、第二言語学習の情意的要因に関する研究としては、4)英語で自発 的にコミュニケーションを図る傾向(willingness to communicate)に影響を与える要因(たとえば英語使用不安など性格要因、国際的志向性、学習動機、英語習熟度など)がどのように組み合わさって 第二言語使用の頻度に影響するかを見る研究、5)異文化接触が英語学習の情意的要因にどのような影響を与えるかの調査、6)さらに最近では、ダイナミック システム理論を用いて、変化とコンテキストに注目した動機付け研究に挑戦しています。 

  論理実証研究で訓練を受けた私にとって、最近の研究パラダイムの転換の波は大きな刺激であり、自分の研究への取り組みを見直す契機となりました。ここ 10年ほどの間、KJ法,グラウンディド・セオリー、マイクロ・エスノグラフィー、ナレーティブ研究など様々な研究法を学ぶ機会をみつけては、方法論を拡 充する努力をしました。認識論的に迷路に迷い込んだ私が見つけた一つの道しるべが、矛盾を乗り越えて実証的・解釈的・批判的研究方法を融合するという視 座、Martin & Nakayamaによる弁証法的(dialectic)アプローチです。無論一人の研究者がすべての方法を使えるわけではありませんが、広い視野は必要で す。そして現象の本質に迫るために役に立つ方法はなんでも使うという姿勢で臨んでいます。異文化接触研究においても言語学習の情意の研究においても、数量 データと質的データを融合し、対象が置かれた社会文化的な状況を十分に考慮した研究を目指したいと思っています。 

研究活動はこちらです:http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~yashima/research.html

 

 


Words of gratitude お礼

JCAcs is grateful to a number of persons for their invaluable help. 

Prof. Yashima kindly accepted to present, Prof. Waki took over the organization of the chapter and Prof. Takanaga guided us through the year. And of course we say thank you to all members of the Chugoku-Shikoku chapter who through their quiet supportive participation made thius conference possible and to whom we return this volume in gratitude.

 

 

Rudolf Reinelt

JCAcs Office Coordinator

 

 

 

 

 

Timeline to JCAcs20, 2017 (予定表)

 

JCA中国四国支部大会

応募開始

JCA中国四国支部大会

応募締切

JCA中国四国支部大会

開催日

9月上旬

1020日(

2015129(土

 

 

Pictures from the 19th JCAcs meeting